テコンドーの強さの秘密をどんどん解説していきます!シリーズ5回目は、力の理論でも特徴的なサインウェーブ(質量)。よく見るとテコンドーでは一つ一つの動きを行うごとに上下に動いていますよね。これにも大きな意味があります。力の原理を紐解いてみましょう。
テコンドーのサインウェーブ(質量)
サインウェーブはテコンドーでも特徴的な動きです。
物理学的に言えば、最大の運動エネルギーは、質量×速度で生まれるとされています。
テコンドーにおける「質量」とは、自分の体重のことです。
攻撃するとき、攻撃が相手に決まる瞬間に、自分の体重を相手に注ぎ込むことで、威力を最大化するのです。
攻撃の力を大きくするためには、質量を大きくして、体重を動作の一点に注ぎ込むことが大事になってきます。
質量を大きくするって体重を重くするの?
というわけではなくて、方法は2つあります。
サインウェーブ:質量を増加させる動き
力学的なエネルギーの原理によって、物体は上から下に落ちるときに重量と速度が増加しますね。
高いところから落ちてきた石のほうが、当たったら痛いです。
この原理をテコンドーのなかでも応用します。より高いところから技を出すのです。
テコンドーの技の直前、そして試合での間合いを取っているとき、膝の屈伸運動(バネ)を利用し、体を上下に波のように運動させます。
自然な動きでゆるやかな波を描くように、常にリラックスした状態を保っておきます。
そして、体が上がった波の一番高い位置に打撃のタイミングを合わせ、体が下がる(落ちる)と同時に打撃に体重を注ぎ込むようにするのです。
こうすることで、相手への攻撃時に、質量を瞬間的に増加することができます。
腰の動き
大きな面積を占める腹と腰の筋肉がねじられることで、体重を蹴りに乗せることができます。
このとき腰を、攻撃の方向と同じ向きに回転することが大切です。
身体全体を相手に向け、全体重を集中させることが大事なポイントになります。
サインウェーブ(質量)はテコンドーでも最も特徴的と言えるかもしれませんね。
他にも、かかと落とし(ネリョチャギ)もテコンドー特有の技で、高いところから足を振り下ろすという質量を利用した技です。
型(トゥル)でも組手(マッソギ)でも選手の体が上下している理由がわかりましたか?
実際のテコンドーの様子も是非見てみてくださいね。
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