テコンドーの呼吸。シュッシュッというのはなぜ? 力の原理その4

テコンドーの強さの秘密を解明するシリーズです。今日は力の理論の一つ、呼吸です。テコンドーの試合や演武を見ていると、技と一緒にシュッと息を吐いていますね。あれにはちゃんと理由があります。力の原理を紐解いてみましょう。

テコンドーの呼吸法

テコンドーでは呼吸の調節が大切です。

最大の力は動作と呼吸が一致した時に生まれます。

息を吐くことによって打撃力を高め、防御時にはダメージを最小限に抑えることができます。

攻撃のときの呼吸

スポーツ医学的には、息を止めて緊張状態にしたほうが力は入りやすく、パワーもスピードも上がるとされています。
しかし、激しい動きの中で呼吸を止めて力を上げる方法では、酸欠になり、脳や内臓に負担が大きく危険です。

乳酸が溜まり、疲労が蓄積しやすく、スタミナも持ちません。
動きが多い中では、呼吸は多く早くなります。

しかし乱れた呼吸では力は乗ってきません。

そこで、
攻撃を出すときまではリラックスをしている状態で、相手に技が当たる瞬間に、呼吸を強く吐きます。

動作が終わった後に、ゆっくりと息を吸います。

こうした呼吸の工夫により、試合で時間が経っても粘りが出てきます。

お腹に手を当てて、腹式呼吸でシュッと息を吐くと、一瞬しっかりお腹が固くなって力が入るのがわかりますよ。

防御のときの呼吸

相手から攻撃を受けた瞬間に息を吸い込むと、受けた攻撃の力が直接体の奥まで浸透し、大きなダメージを受けてしまいます。
痛みも強いです。

しかし、攻撃を受けた瞬間息を吐いた状態だと、同じ力の攻撃を受けても、受けた場所から衝撃が拡散するので、体が受けるダメージを最小限に抑えることができます。

お腹に手を当てた状態で、腹式呼吸で、シュッと口から息を吐いてみてください。

一瞬お腹に力が入り、腹筋が固くなるはずです。

この状態でお腹にキックを受けるのと、柔らかい無防備なお腹にキックが入るのでは、ダメージが全く違いますよね。

緩急自在に呼吸を操り、強さを高めているのがテコンドー。

これも日々の練習を繰り返すうちに身についてきます。

是非、稽古の様子を見に来てくださいね。

 

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